時代を超えてよみがえる巨匠たちのレコード演奏会
(第99回プログラム)


主 催 SP・LPクラシックレコード音楽研究会 代表丹野井松吉
レコード演奏家 会員高木義之
日 時 令和2年6月27日(土)
午後1時から午後6時半ごろまで
会 場 音pub Westminster house(電話 090-3345-2124)
東京都台東区蔵前三丁目17番4号 蔵前妙見屋ビル4階
地下鉄大江戸線蔵前駅下車2分、寿三丁目交差点1階花屋
会 費 1,000円


曲目と演奏

〜ヨゼフ・カイルベルト~
(1908年~1968年)

  1. ハイドン交響曲第101番「時計」
  2. モーツァルト交響曲第40番
    バンベルグ交響楽団(1959)
  3. ベートーヴェン交響曲第6番「田園」
    バンベルグ交響楽団(1960)
  4. ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」
    ハンブルグフィルハーモニー管弦楽団(1956)
  5. ブラームス交響曲第3番
    バンベルグ交響楽団(1963)
  6. ブラームス交響曲第2番
    ベルリンフィルハーモニー管弦楽団(1962)
  7. ブルックナー交響曲第9番
    ハンブルグフィルハーモニー管弦楽団(1956)


高木義之会員の解説

[略歴]
 ヨゼフ・カイルベルト(1908年~1968年)、ドイツ南西部の都市・カールスルーエにて、音楽家の家系に生まれ、10代から地元歌劇場の練習指揮者となる。のちこの歌劇場の音楽監督となり、さらに1940年、プラハにナチスが作ったオーケストラ、プラハ・ドイツフィルの音楽監督に就任。敗戦後ドイツに戻り、ドレスデン、ベルリン、ハンブルグ、ミュンヘンなど、ドイツを代表する歌劇場の音楽総監督として活躍。またプラハ・ドイツフィルのメンバーを中心に西ドイツ・バンベルグで結成したバンベルグ交響楽団の常任指揮者を務める。68年死去。

[芸風]
 厚みのある剛直な芸風を基本とする。曲のデフォルメを行わない清潔な演奏は古典派で大きな力を発揮するが、繊細なニュアンスと豊かな情緒をも併せ持つその表現は、ロマン派の曲にも大きな成果を見せた。同年生まれのカラヤンの快適・流麗な芸風とは大きく異なる。

[響きの特徴など]
 古典派におけるカイルベルトの響きは低音を抑制し、晴朗である。近い響きを出せるのは、少しだけ厳しい響きとなるが、カール・リヒター。リヒターの表現に喜悦を加えると、カイルベルトの古典派の演奏に近くなる。聞けば聞くほど心の垢が取れて行く趣がある。
 しかし、ロマン派でのカイルベルトの響きの重心は一気に低くなる。その響きは、重くもなく濁ってもいないが、一気に沈む。もちろんオーケストラの問題もある。ブラームスやブルックナーなどを録音する場合は、カイルベルトはベルリンフィルやハンブルグフィルなど、もともと重い響きを持つ北ドイツのオーケストラを使う。(余談・ハンブルグフィルは、ハンブルグ州立歌劇場のオケかと思うが、かつてハンブルグ州立歌劇場来日公演「タンホイザー」2幕最後「ローマへ!」の後奏で、このオケから出たというかえぐり取られたというか、叫びとも祈りともつかない、感情のさらに奥にある何者かを震撼させる、まるで抉り出された人間の内臓丸ごとを目の前の机に投げ出されたような荒びた壮絶なffの響きは、今思い出すだに鳥肌が立つ[指揮ゲルト・アルブレヒト])。これらのオーケストラから、重さをわずかに抑えたうえで、沈み込む響きで、彼はロマン派音楽を演奏する。オケの総奏でここまで重心の低い響きを出す指揮者はあまり思い出せない。このサウンドで聞くロマン派音楽の充実感・幸福感は格別である。

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