時代を超えてよみがえる巨匠たちのレコード演奏会
(第97回プログラム)


主 催 SP・LPクラシックレコード音楽研究会 代表丹野井松吉
日 時 令和2年6月13日(土)
午後1時から午後7時ごろまで
会 場 音pub Westminster house(電話 090-3345-2124)
東京都台東区蔵前三丁目17番4号 蔵前妙見屋ビル4階
地下鉄大江戸線蔵前駅下車2分、寿三丁目交差点1階花屋
会 費 1,000円


曲目と演奏

〜ウィルへルム・フルトヴェングラー〜
(1886-1954)

  1. ワーグナー(1813-1883)
    楽劇ワルキューレ抜粋
    ズートハウス、リザネック、メードル、フランツ、
    フリック、ウイーンフィル(1954)
  2. ベートーヴェン(1770-1827)
    1. 交響曲第6番へ長調OP68(田園)
      ウイーンフィル(1952)
    2. ヴァイオリン協奏曲ニ長調OP61
      シュナイダ-ハン、ベルリンフィル(1953)
    3. 交響曲第7番イ長調OP92
      ベルリンフィル(1953)
    4. 交響曲第8番へ長調OP93
      ウイーンフィル(1954)
    5. 交響曲第9番ニ短調OP125(合唱)
      ゼーフリート、アンダイ、デルモータ、
      シェフラー、ウイーンフィル、
      ウイーンジングアカデミー(1953)



丹野井松吉の解説

 今回は、フルトヴェングラー最晩年、といっても66歳から68歳の演奏を、ウィーンフィルとベルリンフィルを対比して聴く。戦前SP時代から戦後そして最晩年LP時代と聴いていくと、この偉大な指揮者の音楽は、年を積むことによりますます深く、力強く、深淵と高み、そして人間の愛憎、愛欲の世界に沈潜しこれを抉り出し、余人の追随を許さない宇宙的な空間にまで達しつつあったことが感じ取れる。
 フルトヴェングラーのワーグナー「指環」は、戦後、1950年ミラノスカラ座の実演と、1953年ローマ放送の演奏があるが、ワルキューレに限っていえば、この1954年のウィーンフィルが極め付きである。歌手のキャスト、ウィーンフィルすべてが官能的でうねるようなフルトヴェングラーの落日のワーグナー世界を表出している。しかし、そこには、日本で言えば「平家物語」の「美と滅びの世界」に、なお、ベートーヴェン的な意思と熱情も感じさせるのである。
 フルトヴェングラーの指揮するベルリンフィルとウイーンフィルでは、こうも曲の感じが変わるものかと思うのは、筆者だけではあるまい。どっちもどっちで素晴らしいが、ベルリンフィルでは、意欲的な構築感とアンサンブルのダイナミズム・緊密感が強く都会的であるが、ウイーンフィルではより自然体であり、伝統的な楽器の音色に田園の素朴さとデモーニッシュな力強さが同居している。あの1951年のバイロイトの第9は、人口に膾炙されているが、この最晩年のウイーンフィルの実演は、巨匠の更なる進化と新しい世界を感じさせるのである。それは、第6,7,8の交響曲でも然りである。ヴァイオリン協奏曲は、シュナイダ-ハン、ベルリンフイルとの灼熱的な共演である。

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