時代を超えてよみがえる巨匠たちのレコード演奏会
(第84回プログラム)


主 催 SP・LPクラシックレコード音楽研究会 代表丹野井松吉
日 時 令和元年12月28日(土)
午後1時から午後7時ごろまで
会 場 音pub Westminster house(電話 090-3345-2124)
東京都台東区蔵前三丁目17番4号 蔵前妙見屋ビル4階
地下鉄大江戸線蔵前駅下車2分、寿三丁目交差点1階花屋
会 費 1,000円


曲目と演奏

〜トスカニーニ〜
(1867-1957)
BBC交響楽団、
ロンドン、クイーンズホール

  1. ワーグナー(1813-1883)
    楽劇「パルジハル」より、前奏曲と聖金曜日の音楽
    (1935,4,5)
  2. ドビュッシー(1862-1918)
    「海」(1935,4,5)
  3. ブラームス(1833-1897)
    1. (1)悲劇的序曲(1937,10,25)
    2. (2)交響曲第2番ニ長調OP73(1938,6,10)
    3. (3)交響曲第4番ホ短調OP73(1935,6,3)
  4. シベリウス(1865-1957)
    交響曲第2番ニ長調OP43(1938,6,10)
  5. モーツアルト(1756-1791)
    交響曲第35番ニ長調K385「ハフナー」
    (1935,6,14)
  6. ベートーヴェン(1770-1827)
    1. (1)交響曲第6番へ長調OP68「田園」
         (1937,6,22)
    2. (2)ミサソレムニスニ長調OP123
         ミラノフ、トルボルク、パターキー、
         モスコーナ、BBC合唱協会
         (1939,3,28)
    3. (3)交響曲第9番ニ短調OP125「合唱」
         バイリー、ジャレード、ジョーンズ、
         ウイリアムズ、BBC合唱協会
         (1937,11,3)



丹野井松吉のコメント
 今回は、トスカニーニが1935年から1939年の5年間BBC交響楽団を指揮したライブ演奏を聴く。指揮者68歳から72歳の全盛期の演奏である、会場はいずれもロンドンのクイーンズホール、残響も良好で、渋くはあるが英国的な深みを感じさせる音である。評論家には、NBC交響楽団と比べてBBC交響楽団は技量的に劣るという人もいるが、決してそうではない。
 トスカニーニは、イタリア歌劇場の指揮者として出発し、1920年代までは国内の演奏が主であったが、1930年に入るとニューヨークフィルやウイーンフィルなどを指揮し活動は国際的となり、指揮者として世界の第一人者の地位を確立していった。ザルツブルグ音楽祭では、1935年に「ファルスタッフ」と「フィデリオ」を、1937年には「魔笛」と「マイスタージンガー」、「ファルスタッフ」を指揮しているのである。ザルツブルグでのウイーンフィルとの相性も申し分なかった。何よりも、この時代の超一流の歌手たちを、のびのびと個性を生かさせて熱唱させている包容力がある。
 確かに1930年代のトスカニーニの演奏は、テンポは比較的ゆっくりとしていて音楽の造型構造は確たるものでありながら、ときとして自由大胆で力強く、激しく振幅燃焼する。アメリカに移住したのち戦時中のNBC交響楽団の定期演奏会の録音を聴くと、曲によっては、殺伐とし戦闘の士気を鼓舞する軍楽隊の雰囲気も感じさせるが、この時代のトスカニーニは総じてバランスもよく、ゆとりと自信に満ち溢れている。
 このBBC交響楽団の演奏の中で、ベートーヴェンのミサソレムニスと第9交響曲は、後のNBC交響楽団のものより自由かつ大胆巨人的であり独唱陣も熱唱の限りを尽くしている。イタリアルネッサンスの天才レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロの傑作をも越える楽聖ベートーヴェンの最高傑作の究極の演奏とも言える。ブラームスの二つの交響曲のできばえも申し分ない。ワーグナー、ドビュッシー、シベリウス、モーツアルト、まさに鮮烈で革新的な音楽であり、トスカニーニこそ名実ともに世界最高の指揮者と言えるであろう。

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