時代を超えてよみがえる巨匠たちのレコード演奏会
(第74回プログラム)


主 催 SP・LPクラシックレコード音楽研究会 代表丹野井松吉
今回企画会員 会員澤村正重
日 時 令和元年10月19日(土)
午後1時から午後7時半ごろまで
会 場 音pub Westminster house(電話 090-3345-2124)
東京都台東区蔵前三丁目17番4号 蔵前妙見屋ビル4階
地下鉄大江戸線蔵前駅下車2分、寿三丁目交差点1階花屋
会 費 1,000円


演奏レコード

  1. Louis Armstrong(1901~1971)
    Plays W.C.Handy 録音1954年 
    曲目:St.Louis Blues. Yellow Dog Blues. Love Less Love
  2. Benny Goodman(1909~1986)
    Aurex Jazz Festival '80 Japan 録音1980年
    曲目:Sing Sing Sing. Sweet Georgia Brown 他
  3. Count Basie (1904~1984)
    This Time By Basie 録音1963年
    曲目:I Left My Heart In Sun Francisco 他
  4. Duke Ellington (1899~1974)
    The Popular Duke Ellington 録音 1960年
    曲目:The A Train, I Got It Bad, Perdido
  5. Charlie Parker(1920~1955)
    The Savoy Recordings 録音1945年
    曲目:Now’s The Time, Billie’s Bounce. Donna Lee 他
  6. Sonny Clark (1931~1963)
    Cool Struttin' 録音1958年
    曲目:Cool Struttin', Blue Minor
  7. Miles Davis (1926~1991)
    ’Round About Midnight 録音1955年
    曲目:‘Round About Midnight
  8. Cannonball Adderley(1928~1975)
    Somethin' Else録音1958年
    曲目:Autumn Leaves(枯葉)
  9. Miles Davis(1926~1991)
    Milestones 録音1958年
    曲目:Milestones, Billy Boy
  10. Miles Davis
    Kind Of Blue 録音1959年
    曲目:So What
  11. Miles Davis
    The Man With The Horn 録音1981年
    曲目:Fat Time
  12. Bud Powel (1924~1966)
    Amazing Bud Powel Vol.5 録音1958年
    曲目:Cleopatra's Dream
  13. Sonny Rollins (1930~健在)
    Saxophone Colossus 録音1956年
    曲目:St.Thomas . Moritato
  14. John Coltrane (1926~1967)
    Blue Train 録音 1957年
    曲目:Blue Train
  15. John Coltrane
    Ballads 録音1961年
    曲目:Say It. You Don’t Know What Love Is他
  16. John Coltrane
    My Favorite Things 録音1960年
    曲目:My Favorite Things
  17. Art Pepper (1925~1982)
    Meets The Rhythm Section 録音1957年
    曲目:You'd Be So Nice Come Home To 他
  18. Art Blakey (1919~1990)
    Moanin' 録音1958年
    曲目:Moanin'. Blues March
  19. Curtis Fuller (1934~健在)
    Blues-Ette 録音1959年
    曲目:Five Spot After Dark. Undesided
  20. Oscar Peterson (1925~2007)
    The Trio 録音1961年
    曲目:Chicago
  21. Jim Hall (1930~2013)
    Concierto録音1975年
    曲目:アランフェス協奏曲
  22. ジャック・ルーシェ(1934~2019)
    Play Bach vol.2録音1959年
    曲目:イタリア協奏曲
  23. Ella Fitzgerald (1917~1996)
    Ellla In Berlin 録音1960年
    曲目:Mack The Knife.How High The Moon



担当 澤村正重のコメント

 店主様のご好意により初めてクラシックの殿堂「音PUB」でジャズのレコードコンサートを行なわせて頂くことになりました。クラシック・ファンの方には失礼ではないかと恐縮しています。
今まで殆んど聴いたことがない大型タンノイ・スピーカーでのジャズ演奏を楽しませて頂きます。

 初めてのジャズ・コンサートということでブルース、ニューオリンズ・ジャズ、スィング・ジャズ、モダンジャズとジャズスタイルの変遷が分かるように選曲しました。

  1. ジャズはブルースとゴスペルから発展したといわれます。黒人奴隷の間で譜面もなく歌われていたものを収集し楽譜にまとめ更に作曲もしたのがW.C.Handyでした。W.C.Handyのブルースをジャズの初期のスタイルであるニューオリンズ・ジャズ・スタイルでルイ・アームストロングが演奏します。
     ルイ・アームストロングは一人のトランペッターであったというだけでなくその後のジャズの発展の様々な部分に影響を与えました。
  2. 1930年代には恐慌から景気が回復してきたこともあってジャズはダンスの伴奏音楽として発展しビッグバンドが活躍しました。スイング・ジャズと呼ばれています。その代表はベニー・グッドマンでしょう。1938年にはカーネギー・ホールで初めてジャズのコンサートを開き「King Of Swing」と呼ばれました。
  3. スイング時代の40年代以降に活躍した代表はカウント・ベイシーとデューク・エリントンです。「This Time Basie」はクインシー・ジョーンズのアレンジで大好きな演奏ですがこの頃の演奏は「マンネリでポピュラー曲を演奏しているだけ」と、ジャズ評論家には評判は良くありませんでした。
  4. デューク・エリントンはダンスの伴奏音楽だったスイング・ジャズを芸術の域に高めた20世紀最高のジャズ・ミュージシャンと言われています。 モダンジャズの部では主に1987年ごろの人気ランキング調査の上位曲と、常に進化を続けたマイルス・デイヴィスとジョン・コルトレーンを中心に聴いて頂きます。
  5. チャーリー・パーカーは1940年代初めからそれまでのスイング・スタイルの演奏に飽き足らず、もっと自由度を求めたいわゆるモダン・ジャズの原型となる「ビ・バップ・スタイル」の演奏をディジー・ガレスピーなどと創出した一人です。このサボイの録音にはすでに19歳のマイルス・デイヴィスも参加しています。
  6. ソニー・クラークの「Cool Struttin’」の意味は「かっこいい気取った歩き」という意味で、ジャケット写真もジャズファンに人気のアルバムです。共演のアルト・サックス・ジャッキー・マクリーンは最もチャーリー・パーカーに大きな影響を受けています。
  7. マイルス・デイヴィスは18歳の頃セントルイスで聴いたチャーリー・パーカーの演奏に憧れてニューヨークのジュリアード音楽院に入り勉強しながら、チャーリー・パーカーを探して同居生活を送りながら共演もしたという。’Round Midnightは個性的なピアニスト・セロニアス・モンクの名曲です。
  8. キャノン・ボール・アダレイもチャーリー・パーカーの影響を大きく受けた一人です。Something Elseにはマイルス・デイヴィスが参加しています。契約の関係でマイルスをリーダーに出来なかったのでキャノンボールがリーダーになっていますが、実質はマイルスのリードで録音はされたようです。「枯葉」は人気ナンバーワンの曲です。
  9. このLPのB面のMilestones とBilly Boyは小生の最も好きな演奏の一つです。 Billy Boyではマイルスが抜けてレッド・ガーランドのトリオの演奏になっています。マイルスのLPでマイルスが演奏していない曲というのはこの1曲のようですが、マイルスはよほどこの演奏が気に入っていたのでしょうか。しかしこの後にレッド・ガーランドは喧嘩をしてマイルスのバンドから抜けてしまいます。代わりにマイルスが一部ピアノを弾きました。
  10. Kind Of Blueはマイルスがそれまでのコード(和音)進行によるアドリブ演奏からモード(音階=ドリアンとかリディアン)による演奏を実践したアルバムです。その後のアドリブ奏法に大きな影響を与えました。マイルスの最大のヒットアルバムでもあります。
  11. 1969年ごろからマイルスは電子楽器をジャズに持ち込みジャズとロックの融合を図るフュージョンというジャンルを生み出しました。フュージョン路線を確立したと言われるアルバムが70年の「ビッチェズ・ブリュー」です。大きな話題となり「カインド・オブ・ブルー」とならぶヒットアルバムとなりました。
     75年から81年まではマイルスは体調不良から活動を休止していました。6年ぶりで出したアルバムが「The Man With The Horn」です。
  12. バド・パウエルはビ・バップのピアノ演奏スタイルを確立したというピアニストです。 多くのピアニストに影響を与えました。中でもソニー・クラークは強い影響を受けています。クレオパトラの夢はテレビCMでも使われて人気の曲です。映画の「ラウンド・ミッドナイト」はサックス奏者が主人公ですが実はバド・パウエルがモデルです。
  13. ソニー・ロリンズの大ヒットアルバムは「サキソフォン・コロッサス」です。St.Thomasは第4位の人気曲です。カリブ海の島St.Thomsは母親の故郷ということで母親から聞かされたメロデイーということですが、その後の彼の重要なレパートリーとなっています。
  14. ジョン・コルトレーンはビ・バップの時代、モードジャズの時代、フリージャズの時代と現状に満足せず常に進化を遂げた演奏をしてきました。3枚の異なったスタイルのLPを紹介します。Blue Traneはブルー・ノート・レーベルで発売された唯一のリーダー作です。カーティス・フラーの紹介でブルー・ノートと契約の話をした直後にプレステジとの契約が出来たために義理を果たすために1枚だけ録音したそうです。
  15. コルトレーンの演奏はシーツ・オブ・サウンドと呼ばれるほど激しい演奏のイメージがありますが「Ballads」は文字通り優しい情感のこもった曲を集めたアルバムです。デビュー当時からバラードも得意にしていました。
  16. My Favorite Thingsはミュージカルのサウンド・オブ・ミュージックからの曲です。 コルトレーンはソプラノサックスを演奏します。コルトレーンでは一番の人気曲でもありこのあと度々この曲を演奏しています。(某ジャズ喫茶のマスターの調査によるとコンサート、LP合わせて48回。マスターに41歳で亡くなる3カ月前の演奏を聴かせてもらいましたが病気を押して椅子にもたれて演奏したというのに27分にも渡る切れ目ない激しい演奏をしていました。
  17. アート・ペッパーはウエスト・コースト・ジャズの人気プレイヤーです。主に西海岸で演奏していましたが、たまたま演奏旅行で西海岸に来ていたマイルス・デイヴィスのリズム・セクションと共演する企画が出来てたった1日で演奏・録音したのがこのアルバムです。
  18. 「モーニン」は当時日本でもジャズを知らなくても耳にするほどヒットした曲で、ファンキー・ジャズというブームにもなりました。アート・ブレイキーはジャズ界に大きな影響を与えた一人です。Blues Marchはベニー・ゴルソンの作曲です。
  19. リーダーはカーティス・フラーですがベニー・ゴルソンのアレンジによるテナー・サックスとトロンボーンの暖かいハーモニーが聴ける素晴らしい演奏です。小生のお気に入りの一枚です。
  20. オスカー・ピーターソンを20歳の頃FM放送で最初に聞いたアルバムです。ピアノのものすごいテクニックに感動しました。その後度々来日コンサートには出かけました。最後は14年ぶりの2003年。脳梗塞を患ったあとで、車いすに乗り目の前を通ってステージ脇まで進み登壇。左手は不自由のようでした。お互いに年をとりましたねという感動がありました。厳しいモダンジャズ・ファンにはあまり好まれない演奏スタイルのようでもあります。
  21. 小生の好きなアランフェス協奏曲のジャズ化です。また最も好きなアルト・サックス・プレイヤーがこのポール・デスモンドです。独特の柔らかいまさに木管楽器という音で演奏します。そのスタイルは最もチャーリー・パーカーから遠いところにいると評されます。
  22. ジャズを聴き始めるのと同じ20歳のころバッハの音楽にも興味を持っていました。そのころフランスから出現したのがジャック・ルーシェの「プレイ・バッハ」とスイングル・シンガーズのコーラスで「ジャズ・セバスチャン・バッハ」でした。バッハの音楽にスイング感を感じます。
  23. 最後にボーカルを1枚聴きます。Ella Fitzgeraldは最も好きな歌手で67年と75年に来日コンサートを聴きました。ベルリンのコンサートではエンディングにハウ・ハイ・ザ・ムーンとマック・ザ・ナイフを歌いましたが75年の日本でも同じエンディングで楽しめました。

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