時代を超えてよみがえる巨匠たちのレコード演奏会
(第72回プログラム)


主 催 SP・LPクラシックレコード音楽研究会 代表丹野井松吉
今回企画会員 鳥原和憲
日 時 令和元年9月28日(土)
午後1時から午後7時ごろまで
会 場 音pub Westminster house(電話 090-3345-2124)
東京都台東区蔵前三丁目17番4号 蔵前妙見屋ビル4階
地下鉄大江戸線蔵前駅下車2分、寿三丁目交差点1階花屋
会 費 1,000円


曲目と演奏

〜プロコフィエフ〜
(1891-1953)

  1. ピアノ協奏曲第2番 op.16
    1996年録音(37分) 演奏=ピアノ:アレクサンダ・トラッツ
    指揮:ゲルギエフ:マリンスキー劇場管弦楽団
    1913年、作曲者の初演。聴衆は「こんな音楽では気が狂ってしまう」と席を立ったと。
  2. ヴァイオリン協奏曲第1番 op.19
    (21分) 演奏=ヴァイオリン:ダヴィッド・オイストラッフ
    詩的情緒と鮮烈な色彩感・躍動感の絶妙なバランスは、彼の新古典的作風の代表作。
  3. ピアノ協奏曲第3番 op.26
    1996年録音(31分) 演奏=ピアノ:アレクサンダ・トラッツ 
    指揮:ゲルギエフ:マリンスキー劇場管弦楽団
    華麗で突進するような勢いに圧倒される。ロシア革命の年に作曲に着手した。アメリカへ逃れてピアニストとして活躍、度々ヨーロッパに出かけているが、4年後パリで完成。
  4. バレエ組曲「ロメオとジュリエット」第1番第2番op.64 第3番op.101抜粋
    演奏=指揮:スクロヴァチェフスキ―:ケルン放送交響楽団
    1994年録音(45分)
    1. 第1番
      ⑥ロメオとジュリエット、⑦タイボルトの死
    2. 第2番
      ⑧モンターギュ家とキャピュレット家、⑨少女J、⑫別れの前のR&J、⑬アンティーユ諸島から来た娘たちの踊り、⑭Jの墓の前のR
    3. 第3番
      ⑳ジュリエットの死 両家の片意地な蒙昧さや中世の暗黒を重苦しく表現。
  5. ヴァイオリンソナタ第1番 op.80
    1949年録音(27分) 演奏=ヴァイオリン:ヨーゼフ・シゲティ 
    ピアノ:ヨーゼフ・レヴィン
    作曲者自身「第2楽章への導入部のような厳粛な第1楽章、力強く吹き荒れる第2楽章、穏やかで優雅な第3楽章、複雑なリズムで書かれたテンポの速い第4楽章」と解説。
  6. ピアノソナタ第7番 op.83 
    (6番、8番と共に「戦争ソナタ」と呼ばれている)
    演奏=ピアノ:スヴャトスラフ・リヒテル
    録音年不詳、18分 現代のピアノ音楽の最高傑作の1つ。直截なダイナミズムが圧縮された構成美を持つ。
  7. チェロソナタ op.119
    1990年録音(26分) 演奏=チェロ:ヨーヨー・マ  
    ピアノ:エマニュエル・アックス
    1948年初頭から5年間の晩年、病床にあって「1日1時間だけ作曲」の日課を守る生活の中で依然創作欲を燃やし10数曲の作品を書いた。この時期の最初の作品で、晩年の特徴である極度の単純さと古典的形式の中に豊かな旋律による叙述を組み立てる作風が現れている。ロストロポーヴィチの協力を得る。
  8. 交響曲第7番 op.131
    1997年録音(33分) 演奏=指揮:クラウス・テンステッド:バイエルン放送交響楽団
    最晩年の作品。消えていく叡智の光が満ちた、和やかな微笑みによって輝いている。

プロコフィエフの年譜

  1. 1891年4月23日 誕生。
    ウクライナ ソンツォフカ。 
    父:農場を管理する農業技術者 自身、使用人としての悲哀を感じさせられていた。
    母:母が弾くピアノのべートーベンやショパンを聴き、両親に甘やかされて育つ。
  2. 1896年 5歳 
    最初の作曲の試み。 
    両親は、20世紀の到来をモスクワ旅行で記念した。
    歌劇「ファウスト」・「イーゴリ公」ボリショイ劇場のバレエ「眠れる森の美女」を見る。
  3. 1904年13歳 
    ペテルブルグ音楽院入学。(グラズーノフ)
  4. 1911年20歳 
    ピアノ協奏曲第1番完成。
  5. 1913年22歳 
    ピアノ協奏曲第2番完成・初演。(原譜喪失1923年復元改訂)
  6. 1914年23歳 
    春、ペテルブルグ音楽院ピアノ科を首席で卒業。
  7. 1917年26歳 
    ロシア革命の年。古典交響曲・ヴァイオリン協奏曲第1番完成。
  8. 1918年27歳 
    革命を逃れ、シベリアと日本を経由してニューヨークへ。
    ピアニストとしてニューヨーク・シカゴで活躍。オペラ作曲に専念。
  9. 1919年28歳 
    歌劇「三つのオレンジへの恋」完成。
  10. 1920年29歳 
    ロシアの内戦から避難していた母とパリ近郊に住む。
    パリで、ピカソ、アンセルメ、ラベルと会う。
  11. 1921年30歳 
    ピアノ協奏曲第3番完成。「三つのオレンジへの恋」シカゴで初演。
  12. 1922年31歳 
    ヨーロッパへ。妻、母とともにドイツに住む。ストラビンスキーと論争。
  13. 1923年32歳 
    パリに移る。マドリード生まれの歌手カロリーナと結婚。
  14. 1924年33歳 
    パリに落ち着く。母逝去。1925年長男誕生。
  15. 1927年36歳 
    9年ぶりにソ連旅行。歌劇「炎の天使」完成。
  16. 1932年41歳 
    ピアノ協奏曲第5番完成。ソ連旅行でゴーリキーと会う。
  17. 1935年44歳 
    妻子共々ソ連に移る。ヴァイオリン協奏曲第2番完成。
    バレエ「ロメオとジュリエット」のピアノスコア完成。(組曲版1938年。)
  18. 1942年51歳 
    歌劇「戦争と平和」第1版・ピアノソナタ第7番完成。リヒテルが初演。
  19. 1944年53歳 
    バレエ「シンデレラ」・交響曲第5番・ピアノソナタ第8番完成。
  20. 1946年55歳 
    ヴァイオリンソナタ第1番完成。自伝「音楽院を出て」発表。
  21. 1947年56歳 
    交響曲第6番・ピアノソナタ第9番完成。ロストロポーヴィチと会う。
  22. 1948年57歳 
    ジダーノフ批判にさらされる。
  23. 1949年58歳 
    バレエ「石の花」完成。ロストロポーヴィチの協力でチェロソナタ完成。
  24. 1952年61歳 
    交響曲第7番完成。
  25. 1953年3月5日62歳 
    脳溢血のため逝去。

プロコフィエフの魅力

鳥原和憲

 丹野井先生から、「1回担当してみませんか」と声を掛けて戴きましたので、大好きなプロコフィエフを勉強する良い機会になると前向きに捉え、受け持たせて戴くことにしました。
 プロコフィエフ(1891~1953)は、多くのジャンルに優れた作品を数多く残したロシアの大作曲家です。その作品には交響曲7曲、ピアノ協奏曲5曲、ヴァイオリン協奏曲2曲、チェロ協奏曲1曲、ピアノソナタ9曲、ヴァイオリンソナタ2曲、チェロソナタ1曲、歌劇13曲(習作を含む)、バレエ音楽9曲、その他管弦楽曲や声楽曲、映画音楽など、改作や一部未完成のものも含めて、作品番号が付いている曲が137曲あります。
 母親の弾くピアノを聴いて育ち、4歳でピアノを習い始め、5歳で作曲を試みています。歌劇やバレエに連れて行くと強い関心を示し、才能に気づいた両親はペテルブルク音楽院に入学させました。ロシアの音楽家たちから教えを受け、ピアノ科を首席で卒業しています。クラシック音楽の伝統を習熟ましたが、古いものに飽き足らず、常に新しい表現の可能性を探して独自のテクニックを獲得し、生涯、絶えず仕事をすることを何よりの生きがいとしていました。
 作品は、メロディーもリズムも和声も斬新で独特ですが、伝統的な均整の取れた構成、バランスの良さ、美しさを持っていると共に、思想や感情などの豊かな内面性、鮮明な描写性、堂々とした規模、鋭さや精密さ、さらには辛辣なところや薄気味悪さまで、多様な表現に満ちていて、聴けば聴くほど引きずり込まれます。晩年の作品からは2曲聴きますが、和やかな心地良さを感じて戴けるものと思います。
 今回は素晴らしい音響装置によって、皆様とご一緒に、作曲年代順に代表的な作品を鑑賞します。お会いできることを楽しみにしています。

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