時代を超えてよみがえる巨匠たちのレコード演奏会
(第60回プログラム)


主 催 SP・LPクラシックレコード音楽研究会 代表丹野井松吉
日 時 2019年5月25日(土)
午後1時から午後7時ごろまで
会 場 音pub Westminster house(電話 090-3345-2124)
東京都台東区蔵前三丁目17番4号 蔵前妙見屋ビル4階
地下鉄大江戸線蔵前駅下車3分、寿三丁目交差点1階花屋
会 費 1,000円


曲目と演奏

〜トスカニーニ〜
(1867-1957)

NBC交響楽団、フィラデルフィア管弦楽団

  1. メンデルスゾーン(1809-1849)
    劇音楽「真夏の夜の夢」OP21/61(1947)
  2. ワーグナー(1813-1883)
    歌劇「ロ―エングリン)前奏曲、第3幕前奏曲
    楽劇「マイスタージンガー」前奏曲、第3幕前奏曲
    楽劇「パルジファル」前奏曲、聖金曜日の音楽(1941)
  3. フランク(1822-1890)
    交響曲ニ短調(1940)
  4. ドビュッシー(1862-1918)
    交響詩「海」(1950)
  5. チャイコフスキー(1840-1893)
    交響曲第6番ロ短調OP74「悲愴」(1942)
  6. ムソルグスキー(1839-1881)
    組曲「展覧会の絵」ラヴェル編(1953)
  7. ラヴェル(1875-1937)
    バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲(1949)
  8. ドヴォルザーク(1841-1904)
    チェロ協奏曲ロ短調OP104、クルツ(1945)
  9. シベリウス(1865-1957)
    トゥオネラの白鳥OP22-2(1944)
    交響曲第2番ニ長調OP43(1940)

 トスカニーニは、ヴェルディの歌劇の演奏で認められ、虚飾を排し、作曲者の意図を直截正確に伝える演奏で、ヨーロッパで最高の指揮者の地位を確立した。1936年、37年には、ザルツブルグ音楽祭で,ヴェルディのファルスタッフ、モーツアルトの魔笛、ベートーヴェンのフィデリオ、ワーグナーのマイスタージンガーなどを演奏している。
 しかし、1930年代、ムッソリーニと対立、ヨーロッパを離れ、アメリカRCAの招きでニューヨークに移住する。RCAは、トスカニーニのためにNBC交響楽団を創設し、定期的に放送演奏を開始した。第二次世界大戦中は連合国側の士気高揚にも一役買っている。
 トスカニーニの演奏も、時代とともに大きく変わってきている。1930年代戦前の演奏は、テンポはかなり遅く、隙とゆとりと若さ麗しさがある。ところが、アメリカに移住した後、戦時中の演奏は、まさにハードボイルドで、乾いた本質だけを追求するような力の音楽になっている。戦後、50年代に入ると、演奏は、またゆったりとした落ち着きとゆとりを取り戻している。トスカニーニは、NBC放送局を通じて毎週全米に放送ライブ演奏を放送したので、彼の残された録音の多くは、放送ライブ録音である。そして、これもほとんどが、ニューヨークマンハッタン島にあるNBC放送局のスタジオ8Hからの演奏で、このホールは毎回入場料無料で聴衆は満員であったと言うが、残響のきわめて少ないホールであった。この音は、確かに、演奏から艶と潤いを消し去るもので、トスカニーニの演奏効果にはマイナスであったようだ。本人も、晩年は、残響のあるカーネギーホールを好んだようである。
 イタリア人であるトスカニーニの演奏は、ギリシャ・パルテノン神殿のように彫塑的であるが、力強く意思的であり、カンタービレはこの上なく美しい。今回は、いずれも比較的ポピュラーな曲であり、作品の作曲年代もトスカニーニの時代に近く、演奏は年齢を感じさせない燃えるような情熱と迫力に満ち溢れている。
 戦前、フィラデルフィア管弦楽団を指揮した演奏は、若々しさと潤いがありロマンティックである。

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