時代を超えてよみがえる巨匠たちのレコード演奏会
(第58回プログラム)


主 催 SP・LPクラシックレコード音楽研究会 代表丹野井松吉
日 時 2019年5月11日(土)
午後1時から午後6時半ごろまで
会 場 音pub Westminster house(電話 090-3345-2124)
東京都台東区蔵前三丁目17番4号 蔵前妙見屋ビル4階
地下鉄大江戸線蔵前駅下車3分、寿三丁目交差点1階花屋
会 費 1,000円


曲目と演奏

〜マリア・カラス〜
(1923-1977)

  1. グルック(1714-1787)
    歌劇「トリードのイフィジェ二―」より
    ドンディ、アルバネ―ゼ、スカラ座、サンツオ-二(1957)
  2. ケルビーニ(1760-1842)
    歌劇「メディア」より
    ビッキ、スコット、スカラ座、セラフィン(1957)
  3. ドニゼッティ―(1797-1848)
    歌劇「ランメルモ―ルのルチア」より
    ステファノ、ゴッビ、フィレンツェ祝祭、セラフィン(1953)
  4. ベルリーニ(1801-1835)
    歌劇「ノルマ」より
    フィリベスキ、スティ二ヤ-二、スカラ座、セラフィン(1954)
  5. ヴェルディ(1813-1901)
    歌劇「椿姫」より
    ステファノ、バスティア二-二、スカラ座、ジュリーニ(1955)
    歌劇「アイーダ」、「リゴレット」、「トロヴァト-レ」他より
  6. プッチーニ(1858-1924)
    歌劇「トスカ」より
    ステファノ、ゴッビ、スカラ座、サバタ(1953)
    歌劇「ボエーム」、「蝶々夫人」、「トウランドット」他より
  7. ビゼー(1838-1875)
    歌劇「カルメン」
    ゲッダ、マサ-ル、パリ国立、プレ-トル(1964)

 今回は、史上最高のオペラ歌手マリア・カラスにより、イタリアオペラの源流から近代の作品までのアリアを聴く。ソプラノ歌手カラスの声は、アルトのような暗く深みのある低音からコロラトーラソプラノまで、弱音から最強音まで、劇場を一気に突き抜ける。可愛らしいロジーナ、純愛の蝶々夫人から、清純さと娼婦性の二面性を持つ女ミミや、奔放なヴィオレッタ、野生の女カルメン、巫女イフィジェ二―やノルマの狂乱、復讐に狂う魔女メディアの役回りもカラスにうってつけであり、女の激しい情念を表出するのだ。女の愛は、排他的で猛烈な独占欲であるとまで言うように。
 イタリアオペラの源流は、やはりエウリピデス(BC480-406)などの古代ギリシャ悲劇の合唱隊にあるように思う。グルックの歌劇「トリードのイフィジェ二―」、ケルビーニ歌劇「メディア」の原作は、いずれもエウリピデスである。ギリシャ人のカラスには、古代ギリシャ演劇の神々と人間の対峙、存在の本質に迫る激しいエネルギーが脈々と生き続けているようだ。
 イタリアルネッサンスは、キリスト教の中世から人間復興を唱え、オペラはフィレンツェやナポリ、ベニスで興り、イタリアからドイツ、フランスに伝わっていく。ドイツでは、モーツアルトにより、劇と声楽と管弦楽が一体となった音楽として高度に発展するが、イタリヤでは、劇の筋立てよりも歌唱・アリアに重点が置かれてアンバランスに発展する。
 カラスの全盛時代は三十代、1950年代である。この時代のオペラのライブを聴くと、歌声からカラスの舞台の演技が生々しい現実感をもって迫ってくるのである。今回は、かなり欲張った曲目となったが、誰もがカラスというディーヴァ(女神)の世界に引きずり込まれてしまうに違いない。

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