時代を超えてよみがえる巨匠たちのレコード演奏会
(第56回プログラム)


主 催 SP・LPクラシックレコード音楽研究会 代表丹野井松吉
日 時 2019年4月13日(土)
午後1時から午後6時半ごろまで
会 場 音pub Westminster house(電話 090-3345-2124)
東京都台東区蔵前三丁目17番4号 蔵前妙見屋ビル4階
地下鉄大江戸線蔵前駅下車3分、寿三丁目交差点1階花屋
会 費 1,000円


曲目と演奏

〜ウィルへルム・フルトヴェングラー〜
(1886-1954)

  1. モーツアルト
    歌劇「ドン・ジョバンニ」全曲
    グリュンマー、シュヮルツコップ、シェピ、デルモータ、エーデルマン、ベリー、ベルガー、ウイーンフィル(1953ザルツブルグ音楽祭ライブ)
  2. バッハ
    マタイ受難曲BWV244全曲
    グリュンマー、へフゲン、フイツシャー・ディースカウ、デルモータ、ウイーンフィル(1954ザルツブルグ音楽祭ライブ)

 フルトヴェングラーがドラマを指揮するとき、歌手たちは、能力の限り最高の歌唱を聴かせる。同じ歌手でも、他の指揮者のもとでは容易に出せないような深い情感を表現している。フルトヴェングラーは、ドラマの本質をとことん掘り下げ、個々の歌手から作曲家の企図する登場人物の性格や情念を最大限に引き出すのである。
 それにしても、チェーザレ・シェピは当代一のドン・ジョバンニ役であり、放埓で無頼の貴族を演じきっている。グリュンマーは、夜這いにあらわれたこの無頼の貴族ドン・ジョバンニに犯され、娘のため決闘を申し入れた父親の騎士長も殺されるドンナ・アンナの暗く激しい復讐の情念を歌う。終盤、悔い改めよと皆から懺悔を求められるが、神をも恐れぬドン・ジョバンニはこれを拒否し、騎士長の霊により地獄に連れ去られる。
 マタイ受難曲における、アルトのへフゲン、ソプラノのグリュンマーのアリア、いずれもこの民衆によるキリスト殺戮の事件を深い悲しみと祈りをもって歌い上げる。第2部のアルトのアリア「憐れみたまえ、わが神」は深々と心に訴えかけてくる。フイツシャー・ディースカウのキリスト役もうってつけというほかない。特に、死を前にしてのキリストの叫び「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」は、圧倒的な響きである。フルトヴェングラーはマタイを単に宗教曲としてではなく、壮絶な人間ドラマとして演奏していることがわかるのである。

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