時代を超えてよみがえる巨匠たちのレコード演奏会
(第55回プログラム)


主 催 SP・LPクラシックレコード音楽研究会 代表丹野井松吉
日 時 2019年4月6日(土)
午後1時から午後7時ごろまで
会 場 音pub Westminster house(電話 090-3345-2124)
東京都台東区蔵前三丁目17番4号 蔵前妙見屋ビル4階
地下鉄大江戸線蔵前駅下車3分、寿三丁目交差点1階花屋
会 費 1,000円


曲目と演奏

〜ヨゼフ・シゲティ〜
(1892-1973)

  1. モーツアルト
    1. (1)ヴァイオリン協奏曲第3番へ長調K216
         ワルター、NBC(1951)
    2. (2)ヴァイオリンナタ第21番ホ短調K304
         ホルショフスキー(1955)
    3. (3)ヴァイオリンナタ第27番ホ長調K379
         ホルショフスキー(1955)
  2. シューマン
    ピアノ三重奏曲ニ短調OP63
    ホルショフスキー、トーベル(1956)
  3. ブラームス
    1. (1)ヴァイオリンナタ第1番ト長調「雨の歌」OP78
         ホルショフスキー(1951)
    2. (2)ホルン三重奏曲変ホ長調OP40
         バローズ、ホルショフスキー(1961)
    3. (3)ピアノ四重奏曲第3番ハ短調OP60
         ヘス、ケイティムス、トルトリエ(1952)
    4. (4)ヴァイオリン協奏曲ニ長調OP77
         メンゲス、ロンドン(1959)
    5. (5)ピアノ三重奏曲第2番ハ長調OP87
         カザルス、ヘス(1953)
    6. (6)ヴァイオリンナタ第2番イ長調OP100
         ホルショフスキー(1961)
    7. (7)ヴァイオリンナタ第3番ニ短調OP108
         ホルショフスキー(1956)

 シゲティの演奏研究のために、今回はブラームスの室内楽をメインにモーツアルト、シューマンを聴く。ベートーヴェンだと、聴く方もどうしても肩に力が入るが、この曲目だと、シゲティの自然体の演奏の全貌がわかるというものである。
 それにしても、モーツアルトの20歳のころの明るい曲にも、既に死が影を落とし、人間存在に対する根源的不安が顔を表す。ヴァイオリン協奏曲の第2楽章然りだ。彼の数多くのヴァイオリンナタの中で、21番K304は、唯一短調の曲で、交響曲第40番にも通じる異常な暗さと美しさを持っている。シゲティは、これらの曲を、若者の感覚ではなく大人の感覚で掘り下げていく。モーツアルトにいろんな思想を詰め込もうとすると失敗するが、シゲティは失敗していない。特に第2楽章はきわめて説得力のある演奏である。
 ブラームス、シューマンの三重奏は、いずれもロマンティクで深々とした味わいの濃い演奏である。ホルン三重奏曲には、ブッシュの名盤があるが、このシゲティ盤も素晴らしい。ブラームスのピアノ三重奏曲第2番では、相変わらずカザルスの個性が強いが、ヘスのピアノも気丈である。ヴァイオリンナタでは、シゲティの生の声が聞こえる。第1番の第2楽章は、怨念ともいえる感情を秘め深く内面に沈潜して行く。シューベルトの歌曲白鳥の歌の「影法師」を連想させるのである。第2番は幸福感に満ち、クララシューマンへの愛の告白でもあるようだ。第3番は、激しい憤りと闘争というべきか。

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