時代を超えてよみがえる巨匠たちのレコード演奏会
(第47回プログラム)


主 催 SP・LPクラシックレコード音楽研究会 代表丹野井松吉
日 時 平成30年12月22日(土)
午後1時から午後7時ごろまで
会 場 音pub Westminster house(電話 090-3345-2124)
東京都台東区蔵前三丁目17番4号 蔵前妙見屋ビル4階
地下鉄大江戸線蔵前駅下車3分、寿三丁目交差点1階花屋
会 費 1,000円


曲目と演奏

〜ウィルへルム・フルトヴェングラー〜
(1886-1954)
〜 ベートーヴェン〜
(1770-1827)

  1. 交響曲第6番へ長調OP68(田園)
    ウイーンフィル(1943,12)
  2. ピアノ協奏曲第4番ト長調OP58
    ハンセン、ベルリン(1943,10)
  3. 交響曲第7番イ長調OP92
    ベルリンフィル(1943,10)
  4. 交響曲第8番へ長調OP93
    ウイーンフィル(1954,8)
  5. 交響曲第9番ニ短調OP125(合唱)
    ゼーフリート、アンダイ、パツァーク、エーデルマン、ウイーンフィル (1951,1)

第45回解説から続く
 フルトヴェングラーは、1930年のトスカニーニのニューヨークフィルによるヨーロッパ演奏旅行についての批評の中で、「彼は、本来の交響的音楽の根本的な要求のひとつである有機的生成の要求、すべての旋律的、リズム的、和声的な形象化を、先行するものから生き生きと有機的に成長させるという要求に対する無理解と、素朴な無知とを示している。ほかならぬ、エロイカの第1楽章で新たに目立ったのは、騒々しい、粗野な弾力的活力を示すトゥッティであった。」と述べている。また、カルラ・へッカーとの対話の中で、「私はいつも「存在するもの」からではなく「生成しつつあるもの」から出発します。音楽とは決して出来上がっているものではなく、第1章節の音がなり始めた瞬間から発展し始め、それに続くすべての部分はここから生まれるのです。」と述べている。
 この旋律、リズム,和声の有機的生成的発展を、フルトヴェングラーはドイツ音楽の本質ととらえている。フルトヴェングラーの指揮棒一振りで鳴り始めるゆっくりとした確信に満ちた和音には、これからの生成発展を秘めたさまざまな音が凝集しており、即興性の中の発展的必然性こそ彼の演奏の本質である。晩年の彼の演奏は、この考えがより徹底して実現されていく。特に、個々の楽団員に伝統的な個性のあるウイーンフィルにおいてははっきりと伺えるので、今回の第9は、バイロイトの第9の半年前のウイーンフィルのライブ演奏を取り上げた。第1楽章において、この有機的発展的生成は、より明確であり、ウイーンフィルの楽団員の個々の楽器の個性も最大限に引きだされている。第3,4楽章もバイロイトにひけをとらない。特に、暗闇と静謐の中からゆっくりとまるで生き物のように音が顔を現す、そしてそれは、長いピアニッシモからフォルテへの高まりとなって聞き手に襲い掛かる。何度かの否定の後に歓喜の歌が厳かに現れる。第9の第4楽章こそベートーヴェンの音楽の究極にあり、フルトヴェングラーはこれを異別の世界からの使徒のように再現する。
 交響曲第6番、7番、ピアノ協奏曲4番も、いずれも戦時中の演奏だが、音が必然性を持って生成発展していく迫力は凄まじい。

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