時代を超えてよみがえる巨匠たちのレコード演奏会
(第45回プログラム)


主 催 SP・LPクラシックレコード音楽研究会 代表丹野井松吉
日 時 平成30年12月8日(土)
午後1時から午後7時ごろまで
会 場 音pub Westminster house(電話 090-3345-2124)
東京都台東区蔵前三丁目17番4号 蔵前妙見屋ビル4階
地下鉄大江戸線蔵前駅下車3分、寿三丁目交差点1階花屋
会 費 1,000円


曲目と演奏

〜ウィルへルム・フルトヴェングラー〜
(1886-1954)
〜ベートーヴェン〜
(1770-1827)

  1. 交響曲第1番ハ長調OP21
    ウイーンフィル(1952,11)
  2. 交響曲第3番変ホ長調OP55(英雄)
    ウイーンフィル(1944,12)
  3. 交響曲第4番変ロ長調OP60
    ベルリンフィル(1943,10)
  4. ヴァイオリン協奏曲ニ長調OP61
    シュナイダーハン、ベルリンフィル(1953,5)
  5. 交響曲第5番ハ短調OP67(運命)
    ベルリンフィル(1947,5)
  6. 歌劇「フィデリオ」抜粋
    フラグスタート、シュワルツコップ、パツァーク、シェフラー、ブラウン、グラインドル、ウィーンフィル、ザルツブルグ音楽祭(1950,8)

 今回と次々回(47回)は、フルトヴェングラーの戦時中、戦後のライブ演奏によるベートーヴェンの作品を取り上げた。フルトヴェングラーの超絶した白熱的ライブ演奏により、われわれはベートーヴェンの音楽の真の偉大さと奥深さに改めて感動させられるのである。
 しかし、フルトヴェングラーの演奏をより深く理解するためには、彼の生きた時代のドイツがどのような時代であったかを確認しておく必要がある。彼が生まれた1886年から青年期の30代までのドイツは、ビスマルクからウィルへルム二世の産業革命と帝国主義の時代であった。ヨーロッパを分断した第1次大戦は、1914年から1918年まで続き、1918年にはドイツ革命が起こり、敗戦国ドイツは多額の賠償債務に苦しみ、その後ナチスが台頭、1939年から1945年までは第2次世界大戦によるドイツ崩壊の歴史である。戦後、ドイツは冷戦により東西に分断される。フルトヴェングラーは、第2次世界大戦の戦前戦中を通じ、ドイツ音楽界の中心最高位にあって演奏活動を続け、敗戦直前にドイツを脱出したが、戦後はナチスの責任を追及され、非ナチ化の裁判が確定し演奏会に復帰できたのが1947年になってからであった。
 まさに、激動の時代、祖国の2度にわたる敗戦の中にあって、音楽だけが精神的な救いとも思えるドイツ国民の中で演奏を続けてきたのである。それゆえ、フルトヴェングラーのベートーヴェンへの思いいれも並々ならぬものであった。
 今回の交響曲3番と4番は、ドイツの敗戦が迫リ、空襲の音さえ聞こえてくるのではないかと思われる戦時中の演奏であるが、音楽は熱気と生き生きした力にあふれている。第5番は、戦後の演奏界復帰後3日目の演奏で、苦悩を通じて歓喜に至るべートーヴェンの思想の気迫あふれる再現である。また、1950年ザルツブルグ音楽祭の歌劇「フィデリオ」の演奏こそ、当時のウイーンフィルの楽団員、名歌手たち、ウイーン市民とともにベートーヴェンの自由への解放と正義の実現を高らかに歌い上げた記念碑的名演である。
 ヴァイオリン協奏曲と第1番の交響曲は、戦後やや落ち着いた時期の演奏だが、これもまた名演中の名演である。
続きは47回の解説

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