時代を超えてよみがえる巨匠たちのレコード演奏会
(第37回プログラム)


主 催 SP・LPクラシックレコード音楽研究会 代表丹野井松吉
日 時 平成30年10月13日(土)
午後1時から午後7時半ごろまで
会 場 音pub Westminster house(電話 090-3345-2124)
東京都台東区蔵前三丁目17番4号 蔵前妙見屋ビル4階
地下鉄大江戸線蔵前駅下車3分、寿三丁目交差点1階花屋
会 費 1,000円


曲目と演奏

〜ヤッシャ・ハイフェッツ〜
(1901-1987)

  1. モーツアルト
    ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K219
    「トルコ風」(1963)
    室内管弦楽団
  2. ベートーヴェン
    1. (1)ヴァイオリンソナタ第9番変イ長調
         「クロイッエル」OP47(1960)
          スミス
    2. (2)ヴァイオリン協奏曲ニ長調 OP61(1940)
         トスカニーニ、NBC
  3. メンデルスゾーン
    ヴァイオリン協奏曲ホ短調 OP64(1944)
    トスカニーニ、NBC
  4. フランク
    ヴァイオリンソナタ イ長調(1937)
    ルビンシュタイン
  5. ブラームス
    1. (1)ヴァイオリン協奏曲ニ長調 OP77(1955)
         ライナー、シカゴ
    2. (2)ヴァイオリンソナタ第3番変イ長調OP108
         (1950)
         カぺル
  6. チャイコフスキー
    1. (1)弦楽合奏のためのセレナーデハ長調OP48より
         (1958)
         ハリウッド(1970)
    2. (2)ヴァイオリン協奏曲ニ長調 OP77(1957)
         ライナー、シカゴ
  7. サラサーテ
    チゴイネルワイゼンOP20-1(1937)
    バルビロリ ロンドン
  8. シベリウス
    ヴァイオリン協奏曲ニ短調 OP47(1959)
    へンドル、シカゴ

 カードには表があって裏がある。それでは、裏の裏は表かと言うと、そうでもない。まるで手品のような話だが、それが人間存在といえそうだ。俗に言う、表の顔と裏の顔というと、なにやら犯罪のにおいがするが、人の社会的、公的な活動を表と言うならば個人生活の領域は裏と言うべきか、そして裏の裏は、表裏が昇華された人格、学芸の分野、芸術の分野と言えるのかもしれない。
 神童といわれ物凄いテクニックを身に着けたハイフェッツの裏の裏はなにか。極度の完ぺき主義とか、アスペルガー症候群といった悪評もあるが、今回の曲目をじっくり聞き進んでいくうちに、私たちは、ハイフェッツのあまりにも豊かな人間性と情熱にただただ圧倒され、呑み込まれるのである。ハイフェッツは、若いころからその名声により、地球を俯瞰する演奏旅行をしてきたが、1923年には、関東大震災直後の日本でチャリティーコンサートをおこなっている。あの一見冷淡な風貌の裏の裏には、熱いヒューマニズムがたぎっているようだ。共演者の力量による相乗効果もあると思うが、トスカニーニとの共演のベートーヴェン、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、音楽の理念的方向性が同じであり、素晴らしい熱演である。ルビンシュタインとのフランクのヴァイオリンソナタ、カぺルとのブラームスのヴァイオリンソナタも白熱の名演である。それは、より高度で形而上の、裏の裏のそのまた裏の高貴な人格の世界かもしれない。

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