時代を超えてよみがえる巨匠たちのレコード演奏会
(第28回プログラム)


主 催 SP・LPクラシックレコード音楽研究会 代表丹野井松吉
日 時 平成30年8月11日(土)
午後1時から午後6時半ごろまで
会 場 音pub Westminster house(電話 090-3345-2124)
東京都台東区蔵前三丁目17番4号 蔵前妙見屋ビル4階
地下鉄大江戸線蔵前駅下車3分、寿三丁目交差点1階花屋
会 費 1,000円


曲目と演奏

〜アルフレッド・コルトー〜
(1977-1962)
〜ジャック・ティボー〜
(1880-1953)
〜パブロ・カザルス〜
(1876-1973)

  1. バッハ、G線上のアリア(組曲第3番より)
    ティボー、ヤノボーロ(1927)
  2. ヴィターリ、シャコンヌ
    ティボー、ヤノボーロ(1936)
  3. ベートーヴェン、ロマンス第2番ヘ長調OP50
    ティボー、ヤノボーロ(1925)
  4. ベートーヴェン、ヴァイオリンソナタ第9番イ長調OP47「クロィツェル」
    ティボー、コルトー(1929)
  5. ベートーヴェン、ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調OP97「大公」
    カザルス、ティボー、コルトー(1928)
  6. シューベルト ピアノ3重奏曲第1番変ロ長調D898
    カザルス、ティボー、コルトー(1928)
  7. フランク、ヴァイオリンソナタイ長調
    ティボー、コルトー(1929)
  8. ショパン、コルトー
    1. (1)ピアノソナタ第2番変ロ短調OP35(1933)
    2. (2)24の前奏曲OP28(1933)
    3. (3)幻想即興曲嬰ハ短調OP66(1933)
    4. (4)バラード第1番ト短調OP23(1934)
    5. (5)ワルツ集から、NO2,3,7,8,9,10(1933)
    6. (6)24の練習曲ホ長調OP10-3「別れの曲」(1934)
    7. (7)幻想曲ヘ短調OP49(1933)
    8. (8)ピアノソナタ第3番ロ短調OP58(1933)
    9. (9)舟歌OP60(1933)
  9. ラヴェル、左手のためのピアノ協奏曲
    ミンシュ、コンサバトーレ(1939)


 今回は、SP時代の巨匠たちの極め付きの名演を取り上げた。音は、昔の音だが、一時代前の古き良き時代とは、決していえない第一次世界大戦後の世界恐慌とファシズム台頭の時代、芸術の分野では、アールデコ、アールヌーボーの余韻があり、また、フォービズムやシュールレアリズムのあらわれてくる時代である。

 ティボーのヴァイオリンは、音は細く高雅にして熱気を帯びているが、庶民的であるのがよい。コルトーのピアノには、人生の戦い、希望と絶望、失意と回生といったあらゆる情熱が交錯している。しかし、カザルス、コルトー、ティボーの三人の巨匠は、芸術こそ至高の存在であり、永遠に不滅であると語りかけてくる。火の玉のようなクロイツェルソナタ、大公トリオは永遠の調和と至福のときであり、フランクのソナタは、恋の逢瀬に向かう情念を焼きつくし、ショパンは、革命への情熱、サンドとの愛の地獄と詩人の心のもろさがあますところなく描きつくされ、コルトーを聞かずしてショパンを聞くなかれとまでいえるのである。ラヴェル(1875-1937)は、コルトーと2歳年上の同世代、左手のためのピアノ協奏曲を、第1次大戦で右手を失ったピアニスト、ヴィトゲンシュタインのために作曲した。コルトーの演奏した時は、1939年、ナチスドイツがオーストリアを併合した年であり、第二次大戦の軍靴の音がすぐそこに聞こえてくるのである。

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